i線ステッパー 後工程向け
モバイル市場における小型化・省電力化の流れに伴い、半導体チップの高集積化・薄型化への要求が一段と高まっています。この要求を満たす後工程向けの次世代パッケージ技術として、FOWLP技術が注目されています。同技術は、プロセッサーやメモリーなどさまざまな機能を持つ異種半導体チップを同一パッケージ内で接合したSystem in Package(SiP) を薄く製造できる技術で、半導体デバイスの高集積化・薄型化を低コストで実現する技術として期待を集めています。
FOWLPはシリコンウエハーから切り出した半導体チップを再度配列させ樹脂でウエハー形状に固めた再構成基板に対して、配線をパターニングします。量産時には、変形度合いの大きい基板の搬送、パターニングするための基板ステージ上での基板平坦度の確保、チップ配列ばらつきへの対応、が量産上の課題となっています。 FOWLPの量産課題を解決する、以下の改善を行いました。
照度を約30%向上させた新開発の高照度照明光学系を採用することで、後工程ユーザーが使用する厚膜フォトレジストプロセスでの露光時間を短縮し、ウエハー処理能力を約20%向上しました。(比較対象は従来機種FPA-5510iV)
「FPA-5510iV」で実績のある、高い解像性能を誇る投影光学系と高精度な重ね合わせが可能なアライメントシステムを継承しました。また、「FPA-5510iV」と互換性のあるオペレーションと、容易なレシピコンバートを実現したソフトウエアを採用しており、従来機種からスムーズに移行可能です。
FOWLPの市場における配線高密度化のニーズの高まりを受け、2018年12月より「FPA-5520iV HRオプション」の提供を開始しました。「FPA-5520iV HRオプション」では新たな投影光学系を採用することで、パッケージング向け露光装置で業界最高水準※となる解像力0.8マイクロメートルの微細なパターニングを実現します。
※ 同等クラスのi線ステッパーにおいて。シリコンウエハーと同等の平坦度の場合。2018年12月10日現在。(キヤノン調べ)